当院のインフルエンザワクチンは、今シーズンも昨年同様に、注射と点鼻の2種類になります。
点鼻のワクチンについては、昨年受けた方からの評判が良く今年も点鼻にしたいという希望が多く、実際の効果や副反応にも問題がありませんでしたので、今年は少し入荷数を増やしました。
ワクチンの予約は9月末から、実際の接種開始は10月第1週からの予定です。点鼻ワクチンの納品が遅れているため前後する可能性があります。またご報告します。
点鼻タイプのワクチンは初めての方もまだ多いと思いますので、ご説明します。
日本で販売が許可されたのは2年前からですが、海外では既に15~20年以上前から使用されていますので、それ程新技術によるワクチンという訳ではありません。注射せずに点鼻するだけですので、どうしても注射が苦手なお子さんや、毎年インフルエンザワクチンで腕が腫れて辛いという方には朗報だと思います。接種回数も年1回のみです。
従来のワクチンと違う最大のポイントは、注射タイプのインフルエンザワクチンが不活化ワクチンであるのに対し、点鼻タイプは弱毒生ワクチンであることです。不活化ワクチンはウイルスを壊した残骸を体内に注射して免疫反応を起こさせるものですが、弱毒生ワクチンは、病原性を弱らせたウイルスを使い、通常インフルエンザの感染時に一番ウイルスが増殖する鼻の粘膜に直接免疫反応を起こさせるのです。”ごく軽く罹らせる”ということになります。
従来より生理的な免疫応答に近い反応ですので、重症化予防効果はあるけれど感染予防効果はいまひとつであった不活化注射タイプより、理論的にはより効果が期待できます。さて実際の効果に関しては、これまでのところ注射タイプとあまり変わりありません。効果(インフルエンザ重症合併症の相対リスク減少率)は30%弱ですので不活化ワクチンと大差はありません。そういう意味では大きなアドバンスは無くちょっと残念です。副反応も同様で、鼻汁鼻閉が60%、咳30%、発熱10%と鼻症状がやや多い他は従来通りでしょうか。軽く罹らせているので、接種後2週間ほどは、ウイルス抗原検査をするとインフルエンザ陽性に出ることがあります。
ADEM等の神経症状は、これまで日本では報告はありませんが、海外で報告はあり数百万例に1例程度で、従来の注射ワクチンと変わりはありません。いずれにせよ実際にインフルエンザに罹患して脳炎に罹るよりもはるかに少ない頻度となります。
効果の持続期間については長く、通常の不活化注射ワクチンが2回接種して5-6か月間程度であったのに対し、点鼻生ワクチンでは1回で1年間です。1回で済むのですがワクチン原液の値段が高いので、料金は2回分より安くはなりません。申し訳ありません。
今のところ点鼻生ワクチンは適応年齢が2-18歳と、1歳以下のお子さんでは使用できません。また、喘息発作がおさまっていない方、免疫の力が弱い方、卵アレルギーのある方では接種できません。
2種類のワクチンとも今年からweb予約のみになります。
また予約が始まりましたら予約サイトのアドレスを公開いたします。